君を想うとⅡ~Secret love~



センパイがへたりこんだ隣にあたしもペタンと座り込む。






「一ノ瀬…、俺はやめとけ。」







頭を抱え込みながら。
センパイは苦しそうに言葉をつむぐ。







「俺は…どうやったって伊織のコト忘れられそうにはないから。
こんな男…好きになるだけ苦しいだけだ。」







そう言ったセンパイの頬にはツゥと一筋の滴がたれる。









「俺は…結局誰も幸せにはできねぇ。
伊織も、お前も…、……亜美も。」








えっ……??








最後に呟いた“亜美も”という言葉を聞いて





あたしの背筋がゾクリと震えた。









もしかしたら。

もしかしたらだけど…、センパイは知ってるんじゃないだろうか。







水島亜美のお腹の子どもは、自分の子どもじゃないと。





< 107 / 476 >

この作品をシェア

pagetop