可能性の種
でも塾の仲間でも、本音を言えてなかったんじゃないかな?
地元では有名なスーパーマーケットの御曹司だから…プレッシャーとかも感じていたはず。
それが爆発しちゃったんだろうな。

でも私は正直…彼の目は死んでいるように見えていました。
よく「顔では笑っているけど、目が笑って無い」人っていますよね?
まさに彼はそんな感じ。

今社会人になって思いますが…彼には『青春』というモノがあったんだろうか?
彼はその当時は楽しそうに仲間と話をしていましたが、ひとりだけ違うオーラが私には見えていました。
何かあれば相談できる人さえ…居なかったんだろうな。

実は彼は単位が足りなくて、同級生とは一緒に卒業出来なかった。
なんでそれ以来、彼には会っていません。
もし私が今彼に会う事ができるならば…何歳になってもやり直しができるよって伝えたい。
私が見てきた人生の先輩たちは、やり直したんだから!

ただ時間とお金があって、自由奔放に生活する事が『青春』では無い。
彼の周辺には、それを正す人たちが居なかったんだろうな。

本当に本当に、『青春』とは自分が感じた瞬間を言うんだろうと…つくづく感じる。
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