可能性の種
彼は本当に目標が無い人間でした。
ほとんどニート的な生活をしていました。
一応塾と通信制高校のスクーリングは、ちゃんと来ていました。
ご両親は進学をさせたかったんでしょうから、塾に行かせたと思いますが…。

塾ではゲームの話しかしてなかった印象。
スクーリングの授業は学年が違うから別々だったから…どんなんだったか分かりませんが、まぁ想像はつきます(笑)。
とにかくやる気の無さが目立っていました。

正直なところ、よく朝起きて塾に来ていたなと思います。
月2回のスクーリングもちゃんと来ていたなと思います。
それは真面目になろうという彼の意志か、家族に認めて貰いたい衝動なのか。
今の私にも分からないくらい、やっぱり家庭環境が違っていたかな?

彼とは2年半ほど塾で一緒でした。
きっと彼にとってスクーリングではなく塾で一緒に居る仲間だけが、唯一心を許せる人間だったんじゃないのかな?
少し大人になった私は…当時彼の痛みや悩みとか分からなかった。

何もかもを諦めている感じでした。
結構お母様の事をボロクソに言っていた印象が強いですから!
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