可能性の種
ある日の事。
『女王』のパパが逮捕されるという事件が起きました。
地元の新聞に小さな記事が載っていました。
それを彼が知ると…とにかく弱みを握った優越感を持ったような笑みを浮かべていました。

でもね…実は彼、『女王』と同じ大学に行かれました(笑)。
結局『女王』に憧れていたのかな?
それとも…『女王』に勝ちたかったのかな?

当時彼はその夜間大学から編入試験を受けて、その大学の一部っていうんですか?
そこに入りたいとは言っていたな。
これまた卒業以来会ってないから、どうなったか分からない。

でも彼を見ていると…中身は意外と脆いんだなって思う。
建前はタバコ吸ったりお酒飲んだりギャンブルしたり、強がっているばかりだった。
でも『女王』の行動を気にしたり、どこか弱い部分があったな。

彼は自分を作り、自分を演じていたんだろうな。
きっと弱い部分を見せたくなくて…強い部分を強調して。
彼の所謂「青春」といわれる時間は何をしたかったんだろうか?
今思えば…とても切ない話だな。
彼女が居たんですが、それが唯一の青春だったのかも知れないな。
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