可能性の種
私が初老の男性と打ち解けるキッカケは…通信制高校内にあったサークルだった。
授業が終わり、レポート作成のために集まり、勉強をするサークルだった。

このサークルの中で男性はひとりだった。
1番若い私と初老の男性との年齢差はおよそ40歳以上。
通常であれば…話など合うはずも無い。
ただ通信制高校とイイところのひとつは、様々な年代の男女がいる事。
卒業という目標のために、みんな頑張っているのだった。

私が見た初老の男性の中で、1番輝いて見えたのは彼だ。
時代の流れの中で失った時間を取り戻すかのように、一生懸命に勉強をしていた。

某大手自動車会社で働いていた初老の男性。
学歴というバリアの中、様々な苦労があったと思う。
それが現代社会であり、私たちが勉強をする理由。
最低限「高校卒業」という名前は…必要だと私も思う。

初老の男性の『青春』は…会社を退職してやってきたんだと思う。
昔出来なかった事・時間を楽しんでいたように思う。
それはきっと『青春』は何歳でも謳歌できると私たちに教えてくれているようだった。
人生は常に勉強!!!
それは高校時代に学んだひとつだ。
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