Sweet silent night
「二人を見たときにはあんまり違和感を覚えなかったんだけどね、会話が耳に入ってきちゃってそのときにまずかおるくんが女性だってことに気づいたんだ。
まあ二人ともお似合いだったしそれはそれでいい恋愛だと思ったし…何よりただの店員だから二人の会話に口を挟もうなんて思ってなかったんだけど。
涼子さんがこんな性格だからさ、かおるくんの性癖についてどう思うかってこっちにふってきたの」
思わず笑ってしまった。
ちょっとしか話してなくても、その言動が涼子さんらしいのがよくわかる。
「かおるくんのためにどんな性癖だったかは伏せとくけど、さすがに俺でもそれはないなって思ってさ。
そこから話が盛り上がっちゃって、涼子さんがバイって話もきいたし…この変な力のことも話してもいいかって思ってね。
思いきって言っちゃったら二人とも気持ち悪がったりしないからすごく嬉しくなっちゃって。
そこから仲良くなってここまできちゃったわけ」
「…すごく濃いお付きあいなんですね」
そう言うと涼子さんが笑った。
「ほんと色々ありすぎたよね、私たちが別れてもこうして3人仲良くいられたのは聖のおかげだわ」
「あの時は二人がいい別れ方してくれたから立て直すのなんて簡単だったよ」
3人の世界がもう出来上がっちゃっていて、あたしがいまここにいちゃいけないような気がしてすこし切なくなった。
「もう俺たちは落ち着いちゃったからさ、これからはあかりちゃんから刺激がほしいな。
あかりちゃんみたいに可愛い子がいたら大分精神的に潤うと思うんだけど」
あたしの心を見透かしたかのようにかおるさんがそんなことを言ってくれた。