【短編集】砂糖をかけたみたいに

されるの嫌いじゃない






さらりと梳かれる髪。
こうするのが好きだっにて知ってから、髪の手入れに余念がなくなった。
純粋に自分の髪がサラサラだとテンションあがるしね。
「ねぇ、そんなにそのドラマ面白い?」
ナニコレって顔してんだろうな、この感じ。
「うん?面白いよ、結構アホらしくて笑うとこ多いんだ」
ふぅん?と興味を持ってくれたようでちょっと身を屈めた。
ちょっとキツイ、笑ったら無意識だったみたいで素直に謝られた。
そういや今はコンタクトしてないんだっけ?
高校時代に着けていたらしい黒縁メガネはもう度が合わないらしい。
良かったとも残念とも思う。
無駄に似合ってて誰かの目に留まって欲しくないし(メガネ萌えが多すぎるって私の友達!)
でも見たいって気持ちもあるし
今はあたしだけが見れると思うとニヤける。
うん、仕方ない。
「……見えない。つまんない」
後ろからあたしの手を上下にパタパタさせて主張してくる年下の彼。
可愛いなぁ、もう。
ニヤニヤしてたらいつの間にかドラマは謎解きに!?
「ひーまー、ひーまー、ひぃぃぃまぁぁぁぁ「うるさい今イイトコロなの!」
頭の上から聞こえる声に何も考えず返事をしてた。




「……暇」
左耳から直接きた声に背中が粟立った。
「ドラマなんてもういいよ、」
大きな右手で視界を隠されて
腰に回されてた腕に引き寄せられて
―――死にそうなんですけどぉ!? 
「ちょっ…」
「ねぇ、暇なんだけど?ずっとオアズケされてたし?」
「ドラマっ…見れないっ」




ドラマ?再放送するから大丈夫だって。
ああ、もういい、流されよう。




end.
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お題→『灰藍』お泊り5題
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