【短編集】砂糖をかけたみたいに
ここは2人だけの秘密の場所にしようってことになった。
(人がいっぱい来るようになるとくつろげないからって桜宮くんの意見により)
そうしてお昼はここにいるようになって。
いつも2人でじゃんけんをして負けたほうが購買にパンを買いに行くようになった。
でも!桜宮くんはじゃんけんがすごく強い!!
結局あたしがいつも負けて買いに走ることになる・・・(泣
今日の桜宮くんのリクエストはコロッケパン。
あたしのクロワッサンも一緒に抱え持って物理室まで走る。
遅くなると鼻で笑われるんだよね!すっごいムカつくんだから!!
「買ってきたー・・・っ」
桜宮くんはなにやら電話中だった。
っていうか女の人のヒステリックな声が漏れてますケド・・・。
じゃあなと言って会話途中(なはず)の電話切っちゃうし。
「志緒。早くパンくれ」
そうそう、なんか名前で呼んでくるようになった。
「はいはい・・・まったく」
お礼くらい言って欲しいわなんて呟きながらコロッケパンを手渡す。
「ん、さんきゅ」
染める気がなくて黒いままの頭をぽんぽんされた。
さ、さすが遊び人・・・。
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