Voice〜彼の声〜



翌朝、学校行くために玄関を出る。


朝の空気は澄んでいて気持ちがいい。



「香坂」


声がした方へと目をやると、榊が塀にもたれるように立っていた。



「おはよう」


ニコッと笑う榊にドキドキしだす。


「お、おはよう…」


どうしよう…。


緊張する。



「なん?緊張してんの?」


意地悪な笑みを浮かべ、顔を覗いてくる。


「…してないもん」


「はっ、顔赤いから」


笑って私の頭を撫でる。


そして榊は手を差し出した。



「手、繋ご」


「…うん」



私は幸せものだ。


そう思いながら榊の手を握った。



< 191 / 337 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop