Voice〜彼の声〜
気付けば卒業式を目前にしていた。
私は学校に行くことはなかった。
創ちゃんが死んだのは、私を迎えに来る途中に事故に遭ったから…。
私のせいで死んだんだ…。
創ちゃんと一緒に学校に行こうとさえしなかったら、創ちゃんは死ぬことはなかった…。
後悔だけが頭の中を占める。
「美嘉、山下くんよ」
トントンとドアをノックし、お母さんの声が聞こえてきた。
「開けるわよ…」
「………うん」
ドアを開け、山下は入ってきた。
久しぶりに見た山下は、以前よりも痩せて見えた。