Voice〜彼の声〜

雨の中での返事




告白されてから私は榊とまともに話すことが出来ずにいた。


意識してしまうからというより、周りの視線が嫌だったからだ。


榊も告白してきた割には返事を求めてこなかった。



だから、今、私はこの状況に困っている。



「傘、忘れたの?」



「…………うん」


下校時間、急な激しい雨が降り始めた。


委員会で遅くなった私は、部活帰りの榊と下駄箱で遭遇した。


しかもよりによって傘を忘れるといった不運。



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