終電、

*出逢い




「…じゃあ、約束」



中学を卒業した春、私は元彼と約束をした。



彼に彼女ができるまで、自分から他の誰かに告白してはいけない。


私に彼氏がいないとき、彼は彼女をつくってはいけない。



恋愛に臆病にさせてしまった私から彼に対する償いと、一方的に傷つけたという彼の私に対する罪悪感から交わしたものだった。



あれから、約三年。





〜2010、春〜



「お父さん、テレビはそこっ!」

偏差値もそこそこある私立大学に合格した私は、都会で一人暮らしを始めることになった。


「志穂ー、ちょっと休まない?」

「もう!お母さんさっきからそればっかじゃん!」


引っ越しの時間が限られているのに、休みたがりな母を怒りながら、これから始まる新しい生活に心は躍っていた。





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