Strawberry & Lilychain
「というわけで、俺が先輩の悩み事聞いてあげますよ!今日先輩しか稽古の相手いないんすから!」
そうだね。
君の言うとおり、今日の稽古は僕と君だけ。
まぁ元々門下生も少ないからね。
「そういえば、いつも君と来てる小梅(コウメ)ちゃんは?彼女が休むなんて珍しいね」
「小梅は…言うなれば仕事ですよ。なんたって綾小路財閥の一人娘ですからねー。今日は東京の高級ホテルでパーティーに参加するらしいッス」
そうだった。
彼女は僕とは月とすっぽん。
超お嬢様なんだった…。
どうして僕の周りにはスゴい人がゴロゴロいるんだろう。
僕はダメダメなヤツだというのに。
「小梅の話より先輩の話ッスよ!さ!ちゃかちゃか話しちゃってください!!」
後輩に催促されるがまま、僕も僕でバカ正直に全部話してしまった。