月傘
少なくとも、コンビニ強盗ではないようだ。

店員は、ごく普通の客と会話するように答えた。
「ちょうどよかった。これが最後の一本ですよ」

店員は、レジに背中を向け、黒色の折り畳み傘を手に取り、こちらを振り向いた。

男は、毛深い右手で傘を受け取り、毛深い左手をポケットに入れ、中から携帯電話を取り出した。

「エ…Edyで…」
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