宵闇
代償
朝、息苦しさで目が覚める。

あぁ・・またあの夢を見たんだろう。

目が覚めるとともに起きる激しい動悸と荒い息遣い。

まただ・・・。

夢を見たんだ、あの日の頃の。

胸を押さえながら、ベッド脇に常備してある発作止めの薬を口に放り込む。

横たわってこの苦しさが早く去ってくれることを

願いながら、じっと毛布に包まる。

時間とともに薄れていくものなのに、

逆に時間が過ぎるたびに胸に突き刺さるように思い出していく。

皮肉なもの・・・。

なぜなんだろう・・・?

普通は時間の流れとともに忘れていくように人間はできているはずなのに。

アタシは・・・

1度目は相手を死なせた。

2度目は相手に捨てられた。

両方の思い出と夢を見るときが一番辛い。

このまま発作で死んでしまうことすら願ってしまうくらいだ。

少し・・・息苦しさが薬のおかげで取れてくる。

冷静さを少しずつ取り戻し始めて、ようやくこれが代償だと気がつく。

アタシが起した罪の代償なのだと。

同じ夢を見れば傷をえぐられるような痛みが走る。

心にも体にも。

でも、これを背負って生きていくしかないんだ。

それがアタシの運命なのだから・・・。

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