宵闇
渇き。
いつもそれは、夕方になると訪れる。

喉が渇くような想い。

『水』が飲みたくなるような感覚。

アタシにとって、その渇きは『欲する痛みと不安』

『水』は愛情。

無性に愛が欲しくなる。

夕方は、アタシにとって魔の時間だ。

誰か・・・

誰か・・・

アタシに愛情をちょうだい。

誰でもいいの。

この渇きを抑えたいの。

アタシは、男のリストを頭の中で浮かべる。

今日はこのヒト?

いや、違う。

このヒトが合っているかも知れない。

とにかく喉の渇きをなんとかしたい。

本当に欲しい『愛』が手に入らない。

だから、『とりあえずの愛』でしのぐしかないんだ。

アタシは、渇いている。

渇いていることが苦しい。

『水』を飲まなければ安心できないんだ。

お願い、誰か・・・。

アタシの渇きを潤して。

こんなに苦しいのは嫌なの。

お願い、誰か・・・。

アタシは心の中でそう呟きながら、渇きを潤すためのヒトを探す。

『本当はこんなんじゃないのに・・・。』

涙とともにでる言葉。

本当の『水』が欲しい。

一時しのぎのは嫌なのに・・・。

アタシは、泣きながら今日渇きを潤してくれるヒトをリストから探し出した。

仕方ないんだ。

今は仕方ないんだ・・・。

そう言い聞かせて、携帯を発信させる。

『もしもし・・・今日逢いたいの。』

アタシの渇きはいつになったら本物の『水』に潤されるのだろう・・・。
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