そして悪魔は二度微笑む【コラボ】
蓮城博士は、借り受けた一室でモバイルPCを操りながら電話を掛けていた。

「アル、明日までにそれらの物を届けて欲しい」

『はい、博士。それは良いんですが、プラハ長官から苦情が来てましたよ』

「何て?」

『勝手に我が国の衛星を使わないで欲しい……、だそうです』

バレないようにしたつもりだったのだが、良い技術者でも入ったのかもしれないな。

そんな事を思いながら、蓮城博士はモバイルPCを操作しながら言葉を返す。

「アル、プラハ長官には今度から使ったらメールすると言っておいてくれ」

『そう言う問題ではないと思うのですが……』

「そう言う問題だ。それでは発送を頼んだぞ」

『はい、博士』

彼女はまだ何か言いたげなアルとの電話を切ると、PCのモニターを見た。モニターには、研究所らしき建物、そして一人の男が映し出されている。

「アイン・ビルダー……か。性懲りもなくこんな研究をしていたのか」

武器商人の研究所で、件の研究を指揮していたのはこの男で間違いないだろう。

「傭兵を集めている? 私への対抗策か?」

名を名乗ったのだ。それくらいはあると踏んではいた。しかしこの数は……。

彼等の研究所にハッキングを開始する。程なくして一つのシステムがアクティブになっている事に気づいた。

「AHー64D……。アパッチ・ロングボウだと? こんなものまで」

FBCB2(部隊用戦闘指揮システム)とデータリンクさせている?

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