そして悪魔は二度微笑む【コラボ】
元々は、衛星や航空機などのシステムとリンクさせて戦況をリアルタイムで戦術用インターネットに表示させる事ができる物である。

大方研究所周辺のセンサー類とリンクさせてテストしているのだろう。

「回線を繋げているのが仇になったな。念の為に仕掛けさせて貰う」

カタカタとキーボードが弾かれる度に、毒の種が仕込まれていく。

一通りの作業が終わった後、蓮城博士は改めて敵戦力を確認する。

やはりおかしい……。ロケットランチャーまで……、奴ら戦争でも始める気か? 違う……。別の勢力が動いている? こちらも傭兵……。

ルカ……。こいつは違う……。

そして、一人の男の名前が浮かび上がった。

「悪魔の……器?」

映し出された作為的な名前に思わず声を漏らす。

蓮城博士は、再びアルに電話した。するとコール音を待たずにアルが電話越しに話掛けてくる。

『博士、夜更かしはお肌に悪いですよ』

「むっ、気をつける。所でこの男の情報が知りたい。表層データに一切の情報がない。そちらからペンタゴンとジジン、後はMI6にハッキングを仕掛けてくれ。モバイルでは、少し弱い」

『はいはい、解りましたよ』

数分の後、自身の研究所から送られてきた僅かなデータを閲覧する。

彼女は思わず笑みが浮かぶのを感じた。

「なる程な……、依頼達成率が92、85%、不老不死のミッシングジェムか……通りで慌てる訳だ」

こんな奴がいたとは、まだ世界には私の知らない事も多い。

そう思うと楽しくなってくる。コーヒーを一口啜り、再び敵の研究所にアクセスしようとしたら外部の回線が切断されていた。

アイン・ビルダーか……。


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