そして悪魔は二度微笑む【コラボ】
「そうか……。それでは私は行くとするか」

ベリルの前で白衣が翻る。

数歩だけ進み麻美が立ち止まった。

そして一瞬だけ何かを考えるように空を見上げると、ベリルの方に再度振り向く。

「一つ言い忘れていた。私の中のナノマシンは、テロメアの減少さえ許さない」

そして、口角を吊り上げると悪魔の様な微笑みを浮かべ、言葉を続けた。

「またどこかの未来で会おう。ベリル・レジデント」

蓮城麻美の周囲が揺らぎ、日だまりの中に溶け込むようにかき消えた。

今度こそ本当に行ったのだろう。

ベリルは、木から離れるとニナの方を見やった。

親子は、幸せな笑顔を浮かべている。

それを確認した後、彼は悪魔の様に美しい笑みを浮かべ、一人呟いた。

「二度とお断りだ」






fin


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