でも大好き。
それからなんとなくアドとケーバン交換して、話して。
とりあえずイイ奴だってことは分かった。
同時に、なんか抱えてるんだなってことも分かった。
あたしもいろいろ抱えて病んだりしてるから、同じく何か抱え込んでいるかどうかを見分けることができるようになってしまった。
辛い思いをした分、人は話し方が柔らかかったり、堅かったり、何かあるような気がするんだ。
この人の場合、人と会話するときに一定の線から先に入ろうとしない。
簡単に言えば、距離を置いて話してる。
「宏華はまだ高二だろ?俺なんか進路決めなくちゃいけねーのに未だにお先真っ暗」
そう言って笑う侍人の顔には一点の曇りもないけれど。
「侍人は焦らなさすぎなんだよ。もうちょっと焦りなさい」
あたしも一緒になって笑っておいた。