★続★『逆高校デビュー』
私の家の前に着くと、悠斗はチャリに乗った。
「あのさ……」
悠斗はそう言って、ちょっと下を向いた。
「明日…………
電車に乗って、ちょっと遠くに行こうか」
思わずドキっとしてしまう。
あの時と同じ約束……
一瞬にして恐怖が蘇る。
「そういう顔すんな。
もう大丈夫だと、思ったんだけどな…」
あの日から、電車に乗って遠くへ行く約束は、果たされていなかった。
悠斗は、ずっと気にしていて、
言えなかったのか…
「桃叶」
悠斗が私の顔をのぞきこんだ。
「私が、悠斗のうちまで迎えに行く」
出てしまいそうな涙を、グッとこらえた。
「大丈夫か?」
「うん」
いろんな事が蘇って、やっぱり涙を抑えることができなかった。
また、この事で泣くと、悠斗が気にしてしまう。
「じゃ…また明日ね」
私は悠斗に泣き顔を見られないように、
下を向いて、すぐに向きを変えて玄関へ歩いた。
ガシャ−−−ン!!!!!
すごい音がして、驚いて悠斗の方へ振り向いた。
振り向いたと同時に、
悠斗に抱きしめられた。
悠斗の向こうで、
チャリが倒れていた。