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「先生はね、マザーの右足の親指と左足の親指の間から産まれましたよ」

数秒、教室を沈黙が包んだあと、

「先生、その辺の説明は省略してください」

とユカちゃんが言った。幸いにも、フィオナの発言を理解した生徒は他にいないようで、全員が二人の会話の成り行きにまかせている。
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