椿
とろろ葵
彼女はどこからきて、何処にいき、そして何を掴むのだろうか?

胸を焦がす思いも、所詮はまやかしなのかも知れない。

そう、まやかし。

届かないものに手をのばしても、掴めるものは、まやかしにすぎない。

そう、念い、逃げることが救いになることがある。

彼女を見つめるのは、もう最後にしよう。

冷たい海が、焦がす胸を和らげる。

かわりに針でさすような痛みに、すべてを中和してくれる痛み。

とろろ葵、しられぬ恋。

それはもっとも苦しい恋なのだ。
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