叶わなくても
拓哉さんの店についても、詩織は一人黙ったままずっと下を向いてる。

来てすぐに聖也が拓哉さん達に言ってくれたから、拓哉さん達は何も言わない。

「なぁ、詩織叶斗は、何も言ってないんだろ?」

・・・コクッと、頷く詩織。

「なら、可能性はあるんじゃないのか?」

「でも・・・」

「一回聞いてみろよ」

「そうだよ 詩織 言っちゃ悪いけど、叶斗は彼女が出来たら真っ先に自慢してくると思うし・・・」

「・・・そう、だね?」

「うん!! 絶対そうだよ!!」

その、あたしの言葉で何とか復活した詩織。

詩織の代わりにも、バイトが終わって叶斗に電話しなくちゃ。

今日の、詩織はずっとぼーっとしていた。

バイトが終わって、あたしは詩織に内緒で叶斗と電話をしていた。

【彼女居る?】

【居るわけねぇじゃん】

【だよね・・・】

【ああ マジで、あの子彼女になってくれねぇかなぁ・・・】

【あの子って誰?】

【やべっ!】

【っで、誰?」

【~~っ!!お前の、親友の詩織だよ!!】

【あんた・・・、もしかして詩織の事好きなの?】

【ああ なんか悪いかよ!!】

【ううん 今、何してるの?】

【家で、寝てる】

【本当、暇そう・・・】

【うっせぇ!】


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