愛していたのに
「君に触れた男、君と会話した男、君に近づいた男。全て殺しておいたよ」
傍らにあった剣――血で錆びつつある刀身で男は手頃な場所に吊されたモノの腹を刺す。
抜き差しを繰り返したあとにやっと目をプーラに合わせた男は。
「愛しているよ、プーラ」
この墓場よりも不吉な場所で愛を呟いた。
「愛してやまないよ、いつも君を見て、夢でも君を見る。ねえ、笑って、喜んで、誉めて。俺、君に愛されるように頑張ったんだから」
顔の血を拭き取り、出てきた透明な笑顔で彼はただプーラを求めた。