パラレル・ワールド~君と僕の命の起源
「ねぇ、シンくん、今夜も家に来る?」
風花がちょっと気まずそうにそう聞いてきました。
多分、この一言を発するために、彼女は僕を待っていたのです。
「あ、あぁ……どうするかな」
でも、僕はその時、返事に窮してしまいました。
葵さんに言われたことが、心の底に引っかかっていたのです。
風花は、僕に対して駆け引きなしの純粋な性を発散し、僕との関係を通して性に囚われない本当の愛を学ぶ。
だが、彼女は僕に関しての学びには触れませんでした。
僕は考えます。
果たして僕は彼女との関係を通して、何を学ぶべきなのか?