パラレル・ワールド~君と僕の命の起源




「ねぇ、シンくん、今夜も家に来る?」




風花がちょっと気まずそうにそう聞いてきました。

多分、この一言を発するために、彼女は僕を待っていたのです。



「あ、あぁ……どうするかな」



でも、僕はその時、返事に窮してしまいました。

葵さんに言われたことが、心の底に引っかかっていたのです。



風花は、僕に対して駆け引きなしの純粋な性を発散し、僕との関係を通して性に囚われない本当の愛を学ぶ。



だが、彼女は僕に関しての学びには触れませんでした。

僕は考えます。

果たして僕は彼女との関係を通して、何を学ぶべきなのか?
< 21 / 81 >

この作品をシェア

pagetop