パラレル・ワールド~君と僕の命の起源
身体が温かく、気持ちが楽になってきました。
ここは何処でしょうか?
天国?
「ここは、命の起源です」
光がそう囁いたように思いました。
「あなたは、今度の生で学ぶべきことを覚えていますか?」
光がそう問うたように思いました。
僕は一生懸命、葵さんに言われた言葉を思い出そうとしました。
けれども、浮かぶのは風花の愛らしい顔ばかりで、どんなに僕が風花を愛しているか、どんなに僕が風花を大切に思っているか、そればかりが浮かんでくるだけなのです。
「そうです。あなたは、人を心から愛することを学ぶのです」
光がそう言ったように思いました。
「さあ、今ある生に戻りなさい」
僕はまた、暗闇に投げ出されました。