パラレル・ワールド~君と僕の命の起源
「フウ、ずっとここにいてくれたんだ」
「だ、だって、シンくん、目が覚めないから……」
「一番に会えたのがフウで良かった。
ホント、ずっとフウに会いたいと思ってた」
「ホント?」
風花が疑うのも無理はないことでした。
だって僕から風花を誘ったことなどなかったのですから。
会うのはいつも研究室で。
風花に誘われれば、僕は付いていく。
そんな都合の良い関係を僕は風花に強いていたのです。
本当は風花のことが好きでたまらなかった筈なのに。
姉蓮とは正反対の控えめで可愛い風花。
そんな第一印象を覆すような大胆な性を持つ風花。
水盤を覗く前の僕は、そんな二面性を持つ風花の魅力に強烈に惹かれながらも、何処か冷静に彼女を見る自分がいて、それが僕と彼女の間に壁を作っていたのだと思います。
それが彼女を不安にし、更に大胆な性を演じさせていた。
今の僕には、そんな彼女の気持ちがとても良くわかるのです。