パラレル・ワールド~君と僕の命の起源
で、あの水盤はどうなったかって?
おおよそ百年に一度、地軸と水盤が引き合う時とは、正にあの日。
十月二十三日、晩秋の名月の満月の夜だったのです。
開かれた宇宙の軸へと迷い込んだ、僕が見たのは命の起源。
温かい光に包まれて感じたのは命そのもの。
それを、今、僕が言葉にできるとするなら、
僕にとって、それは『愛』でした。
僕は、現世で、風花と共にその『愛』を深く確かめてゆきたいと思います。
その後、水盤によって開かれた宇宙の軸への入口は閉じられました。
次に入口が開かれるのはまた百年後。
それは……
貴方の未来のことかもしれません。
<Fin>