恋と狼と陸上と…
私は自動ドアでもないガラスの扉を引いて開け、店内に入った。店内には聞いたこともない、私が生まれる前のものと思われる音楽が流れている。


まっすぐ冷蔵ショーケースに向かう。いつものことだが、客はいない。サクラで本でも読ませとけばいいのに、とさえ思っている。


私はお茶をショーケースから出すと、レジに持っていった。


「147円です」

ピッという音とともにおばちゃんの店員さんに言われた。店内に流れる音楽はこのおばちゃんの趣味だろう。


私はカバンを開けて財布を取り出そうとした。


あれ?ない・・・いつも入れているところにない。
私はいつも入れているところ以外も探した。教科書の間、筆箱の中、着替えの袋の中・・・どこにもない。


あっ!机の中だ!お昼にジュースを買って、そのまま机に入れちゃったんだ!


まずい・・・どうしよう・・・


「お譲ちゃん、147円だよ」

おばちゃん店員のイライラした声。

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