【短編】どんな君も好き


私はまったく、授業に集中できない。


本当に、離れて行くのかな?
昨日、絶対離れないって言ったし、もしかしたら離れてかないかも……?


私はそんな事を考える。


たぶん、私はあとに思った事を望んでる。
ダメだって……。
わかってるよ?
だけどね……。
言わないとね?
でもね……。


離れたくないよ?


泣きそうになる。
私は必死に涙をこらえていた。


そして……


放課後になってしまった。


「えみ? 話ってなに?」
「あのさ、屋上言って話さない? 誰にも、聞かれたくないの!」
「いいよ」


そう言って、ニコッと笑う。


「……ありがとぅ……」


私は溢れ出しそうになる涙をこらえる。


泣いちゃ、ダメ……!
耐えて……!


私は一歩ずつ、一歩ずつ、階段を慎重に登って行く。
そうでもしないと、私は泣いてしまいそうだった。


"ガチャ"


屋上へ出る扉をあける。


そう……。


あの日も……


こんな風が吹いていたっけ?

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