愛しくて 苦しくて
「江口っ」




俺は声をかけずにはいられなかった。




「…」




無言で振り向く江口。




俺は、走って江口に近づき、江口の手をつかんでサッカー部の部室に連れ込んだ。




部室には誰もいなかった。




「なんで、泣いてんだよ」




俺の怒鳴り声が部室に響く。




江口は無言で泣くまま。




江口の苦しむ所を俺は何回も見てきた。




一緒にいたい。




大事にしたい。




もう、止められない。




江口…。
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