愛しくて 苦しくて
「小学校の時、音楽室のピアノ壊しそうとしていたじゃない?」




それだけ、言うと、栗岩くんは思い出したような表情をした。




よかった、覚えてて…。




「俺、江口に酷いことしたな、助けたような事は…なにも」




私を助けてくれたと本人は自覚していないようだった。




「だって、栗岩くんが壊すのをやめなかったらみんながやめなかったでしょ?」




栗岩くんが、あそこで手を止めてくれて良かった。




助かった。




私の大事なピアノ。
< 237 / 267 >

この作品をシェア

pagetop