溺愛プリンス
「……ショーンさん?ハルなら今、出て行きましたけど」
ハルを呼びに来たんだろうと思って、そう伝えるとショーンさんのアクアマリンの瞳がグッと細められた。
「あなたは、相当鈍感なようでございますね」
へ?
丁寧な口調で、上品に発せられた言葉。
わけがわからずにポカンと口を開けているあたしに、ショーンさんは心底不服そうにその綺麗な顔を歪めた。
「ハロルド様はあなたを心配して、ここまで来た。ご公務の途中にも関わらず、です」
「え?」
その言葉にハッとして目を見張る。
あ、あたしを、心配して?
そんなハズ、ないよ……。
信じられないと眉間にシワを寄せたあたしに、ショーンさんはこうも続けた。
「私(わたくし)は、ハロルド様が幼い時からおそばにおります。
そんな私でさえ、見たことのない、知らないお顔をここ最近お見受けします。
ハロルド様は、あなたの前では力を抜かれている。
息を、していらっしゃるのです」
本当の、ハル?