溺愛プリンス


―――高度1万メートル上空。

信じられないけど、あたしを乗せた車は空港へそのまま滑り込み、そのままハロルド家自家用ジェット機に乗せられていた。

そして、そこでさらに、夢みたいなことをショーンさんに告げられたのだ。





「……宮廷舞踏会……?」



金色に光り輝く一枚のチケット。
ショーンさんに手渡された真っ白な封筒の中身を取り出したまま、首をひねる。



「ローズベルト家主催の元行われる、言ってみればお披露目パーティと言ったところです。そこに、各国の有力者が一堂に集まります」

「……」



お、お披露目パーティ?


ますます不審に思い、チケットから顔を上げた。

向かいのシートにはまっすぐにあたしを見据えるアクアマリンの瞳。
ショーンさんは何を考えてるかわからない顔で、さらにこう続けた。



「志穂さま、あなたにはこの舞踏会に参列していただきます。
そのチケットは超激レア招待状です」


「はは、超激レア……って、ええええっ!?」



あまりにも平然と言われ、驚愕したままショーンさんを見つめた。



「舞踏会までの時間がありません。志穂さまにはお屋敷につき次第お作法の特訓に入っていただきます」


…………え


えええ!?



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