溺愛プリンス
「……このように、強引な真似をしてしまい、申し訳ございません。しかし……このままでは」
流れる景色を見つめたまま、ショーンさんはそう言った。
「……このままではって、なんですか?」
いつも言葉の語尾までしっかりと話すショーンさんの、その歯切れの悪さに違和感を覚える。
首を傾げたあたしに、一瞬だけ視線を送るとショーンさんは胸元から手帳のようなものを取り出した。
それを確認しながら、時計を見る。
「目的地に到着します。 心の準備はよろしいですか?」
「え……あの、」
「よろしいですね?」
「は、はい!」
「では、参りましょう」
って…………、な、な、なんでぇぇぇえ!?