溺愛プリンス
ハル!
思わず駆け出していた。
来てくれた……!
ハル……ハル……、ハル!
リビングを駆け抜けて、そのままの勢いで玄関へ飛び出した。
「ハルっ……!」
玄関先に、誰か立ってる。
背の高いシルエット。
薔薇の甘い香りをさせて、月の光を背中に浴びたその人は、駆け出してきたあたしに気付いて顔を上げた。
え……?
勢いよく飛び出した体が一気に固まる。
月光に輝く、銀色の髪。
恰幅のよい彼は…………。
「あなたが、志穂さん……だね?」
「…………」
ハルのお父さん……。
ベルト王だった。