溺愛プリンス
胸が、ドクンって音を立てた。
薄暗いこの場所でもわかる。
ベルト王の瑠璃色の瞳が、まっすぐにあたしを射抜く。
まるで……すべてを見透かすみたいに……。
ジワリ、と嫌な汗をかいた。
「……ぁ、あの、」
ハルは?
どうして王様がここに?
聞きたい事はあるのに。
言葉は声になっては出てきてくれなくて……。
ただ、カラカラに乾いた息を吐き出すので精一杯だ。
声にならない声を出し続けてるあたしに、ベルト王ははっきりとこう言った。
「ハロルドは来ない」
――――――、と。