溺愛プリンス

王子様の溺愛な日々



――――――……
――――……



ヒラヒラ
 ふわふわ



真っ白な紙吹雪が舞うここは、まるでおとぎの世界。

青い薔薇が咲き誇り、お城の中から現れたのは、本当の王子様とお姫様。




拍手喝采。
割れんばかりの歓声が沸き起こる。

頭上からは、祝福の鐘の音。


白いハトが、お城のまわりを固まって飛び交っている。




そう。
これは、結婚式。


まるで映画の中に迷い込んでしまったみたいだ。





ぼんやりとしたまま、夢み心地でそれを眺めていたあたしの腰がグイッと引き寄せられた。


ハッとして顔を上げると、瑠璃色の瞳が優しく細められ、ハルはそのまま耳元に唇を寄せた。




「行こう」

「……ん」



小さく頷くと、そっとその場を離れる。






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