オレンジ



「嫌っ!!放して!嫌ーっ!」


「あんまり叫ぶんじゃねーぞ?」



そう言った男の手にはナイフが握られていた



突き出されて、恐怖で声も出せない



た、助けて…


誰か


誰か


助けてっ!



服をビリビリ破られていくけれど、ナイフで刺されたらどうしようという恐怖が勝って何も出来ない…


でも、このままヤラレるわけにはいかないっ!


あたしは、最後の力を振り絞って叫んだ



「誰かっ!助けてー!!!」



ギュッと目を閉じたその時!


バコッ!!


と音が聞こえた


それと同時に男の重さがなくなった



恐る恐る目を明けるとそこには、のびているさっきまで上にいた男とスーツ姿の人



…誰?



暗闇で顔は見えないけれど、男の人だというのはわかった



「大丈夫かっ!?」



そう叫び駆け寄ってきたその人は…



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