オレンジ


それから、浜辺でクラスのみんなと合流し、みんなで懐かしさから昔話に花を咲かせた


今回集まってくれたのは、10人ぐらいだったから次集まるときはもっと人数が増えればいいなーなんて思いながらみんなと話していた



「んじゃ!着替えますかー」



という宏の合図でみんなぞろぞろと更衣室のあるところまで歩いていると、由希音がいないことに気づいた


「あれ?由希音は?」



偶然近くにいた李花に声をかけると



「言ってなかったけど、由希ちゃん、泳げなくて…『泳げないから行ってもみんなに迷惑かけるから、今回はやめとく』っていう由希ちゃんを無理矢理わたしが誘った感じで…今は場所の確保をしてるよ」



と、後ろを振り返りながら気まずそうに言う李花の視線の先に俺も目を向ける



そこには、誰かが持ってきてくれたブルーシートの上に座り海を眺めてる由希音と



「なんであいつ一緒に座ってんだよ」



止まっていた俺たちに気づいたのか戻ってきた宏の言葉に俺も頷いた



「今回の集まりをチャンスだって思っていたのは瞬だけじゃないってことだね」



と、真剣な顔で浜辺で座るふたりを見ながら李花は呟いた…


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