闇の貴公子に偽りの愛を


「アディナ!!」


朝早くからアディナを呼ぶ姉、リディナの叫び声が響く。


「全くリディナお姉様は毎朝忙しいわね。…そう思わない?」


小さく愚痴をこぼし微笑み、小鳥に話し掛けるアディナ。


「アディナ!!聞こえているの!?」



二度目の叫び声。



相当機嫌が悪いわ。そう呟いて自分の部屋を出てリディナのもとへ向かう。



毎朝アディナはリディナの叫び声に起こされ、リディナにこき使われる。



しかしアディナはリディナの前では絶対に愚痴一つこぼさず、笑顔を崩さない。












< 2 / 87 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop