アネモネの花束を君に

〜3〜†桜Side†




―――それから数日後



「はぁー暇暇ひまー。おそと行きたい〜!」


私達ははるさんや八尋兄さん達からの外出禁止令がでていたため、思う道理に外に出れなかった。


「あ!さく、この花知ってる!!これ、紫苑でしょ!!」

「そうだよ。」

「ママが大好きだった花なんだよー。」


懐かしいなぁ…


「そういえばさくちゃんのママってどんな人なの?」
「えーっとね…綺麗で優しくて強い人なんだぁ。」

思い出しながら、顔を綻ばせた。

「さくちゃんママは何処にいるの?」

「それは…………それは……」

答えられなかった。
れーくんは察したのかなにもきかなかった。

「じゃ…じゃあ…紫苑の花言葉知ってる?」


「…え!?花言葉?花言葉って何?」

「花言葉はね、種々の花に、その特質によって象徴的な意味を含ませた言葉なんだよ。」

「特質?象徴的?何それ、わかんない〜。」

「花の名前の他に意味がついているってことだよ。」
「そうなんだ〜。」
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