恋迷路〜マイゴノコイゴコロ〜
お昼休み。
中庭に行くと、やっぱり藤堂先輩がいた。
ひらひらと、儚く散っていく黄色い葉っぱ。
静かに積もっていく、オレンジ色の山。
その間に隠れるようにして、埋まっている藤堂先輩。
ただ静かに、息をしているだけ。
目を閉じたまま、ピクリとも動かない。
じっと眺めていると、いきなり目が合う。
…そらせない。
吸い込まれそうな、綺麗な瞳。
だけど…
そこにはやっぱり、哀しみの色が見える。
「…またアンタ?」
藤堂先輩はそう言うと、口元だけを微かに動かして、小さな笑みを作った。
胸が、痛い。
苦しい。
なんでだろう…
泣きたくなる。
あぁ…
私、この人が好きなんだ。
きっともう…
この気持ちからは、抜け出せない──…