恋迷路〜マイゴノコイゴコロ〜
『ホームへ電車が参ります。白線の内側で……』
階段を降りていると、電車到着のアナウンスが響いてくる。
ヤバイ!
藤堂先輩、乗っちゃうかも!!
私は急ぎ足で階段を降りる。
だけど、無念にも足がもつれて私は階段を滑り落ちそうになる。
ヤバイ、そう思って手すりに捕まったけど、変な格好のまま足だけが前にいく。
そうして、しりもちをついて私はなんとか止まった。
「いったぁ…」
膝がじんじんする…
カバンが下の階段に転がり落ちている。
やっとのことで立ち上がると、私は制服をパンパンとはたいた。
人が見てなかったことだけが救いだよ…
『電車が発車いたします。扉にご注意ください…』
アナウンスと共に、電車が発車する音がする。
しかも間に合わなかったし…
痛むひざを見ると、血が滲んでいる。
今日はとことんツイてないなぁ…
カバンを拾い上げて、私は階段を登ろうとした。