恋迷路〜マイゴノコイゴコロ〜
「高科。俺は──。」
智晴先輩の声が、頭に響く。
胸の中で、何かがはじける。
気が遠くなりそうだった。
「智、晴…先輩…。」
のどが詰まって、うまく声が出ない。
胸がいっぱいで。
涙が溢れて。
ただ、先輩の名前を呼ぶことしか出来ない。
「ホント…ですか?ドッキリとかじゃ…ないですよね?」
私がしゃくりあげながらそう言うと、智晴先輩は吹き出した。
「ドッキリって…くく…まぁ、アンタにドッキリ仕掛けたら、反応面白そうだけどね。」
そう言って笑ったあと、智晴先輩は私のもとへ近寄ってきた。