恋迷路〜マイゴノコイゴコロ〜
「今月のSweetBerry見た?」
教室でお弁当を食べていると、別の机からそんな声が聞こえる。
「あ、舞花の来てるワンピかわいいよね!私こーゆーのほしいなぁと思ってさ〜!」
「舞花」。
ズキンと胸が痛む。
「あ〜っ、見せて見せて!」
パンをほおばっていたゆかちんが、話をしていた子からSweetBerryを借りてきた。
「相変わらず舞花は綺麗だねー。こんなだったら、私もちょっとくらいモテたかもなのに!」
ゆかちんが笑いながらそんな事を言う。
私がもし「舞花」だったら、智晴先輩に好きになってもらえてたのかな…。
先輩に、愛してもらうことが出来たのかな。
ポーズをとる舞花を見ながら、そんな事を思った。
私が「舞花」だったら、よかったのに──…