恋迷路〜マイゴノコイゴコロ〜



「次、アレ。行くよ。」


またもや絶叫系を指さして、智晴先輩は歩きだそうとする。
別に絶叫系が嫌いなワケじゃないけど、さすがにここまでいくと、疲れてくる。



「先輩、ギブですギブ。私もう無理です!一人で頑張ってください。」

少しだけ皮肉を込めて、私は先輩に言った。




少しだけ顔を歪めると、先輩は早足で先に進んでしまった。


「っ先輩!」

追いかけようとしたけれど、人が多すぎてすぐに先輩の背中は見えなくなってしまった。





…言い過ぎちゃったかな。
先輩、怒っちゃったかな。



急に寂しくなって。

よく考えると、こうして今日を先輩と過ごせることが、奇跡に近いわけで。
普通なら、告白してきた相手と一緒に遊ぼうなんて考えられないよね…。



少し不器用でぶっきらぼうだけど、先輩はちゃんと優しさをもっていた。




なのに…
私…。
ワガママだったよね。








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