God of Death
「お疲れ、アイト」

 後ろで、聞き慣れた声がした。女の子の透き通ったソプラノの声、少し弾む様な明るい声。
 アイトと呼ばれた彼が振り返る前に、彼女はアイトの左隣に腰を下ろした。

「ああ、疲れた」

 アイトは素直にそう言った。これは、いつもの決まったやりとりだ。
「今回は珍しく、老人相手の仕事だった。今日はメグミも仕事だったのか?」
 アイトが彼女の方も見ず、尋ねた。メグミと呼ばれた彼女は、嬉しそうに頷いた。
「今日の仕事はね、すっごくやりがいがあったんだよ。なんか、変なおじさんが万引きしてて、そいつの魂を奪ったの」
 メグミは、アイトとは対照的な生き生きとした瞳で、仕事の一部始終を語り始めた。
「必死で逃げてったんだけど、結局トラックに轢かれちゃって、ジ・エンド! 私、ヒーローみたいだったんだっ」


 そんなメグミは勿論、A級死神である。


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