God of Death

 そこは、かなり大きい病院だった。
 中も相当広く、今回の仕事の相手が何処にいるのか突き止めるのも、少し時間がかかってしまった。
 
 清潔に清掃されたばかりの廊下を、カツン、カツンと歩く。人間にこの音は聞こえていない。
 看護婦同士の話し声や、小さな笑い声が聞こえたが、街中と比べると随分静かだ。何処か落ち着くのは、死の匂いがところどころの部屋から漂っているからだけではない様だ。
 だから、エミヤは病院が好きだ。

 静かで、死の匂いがして……。死神として、最高の場所だ。
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